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残業代請求や不当解雇等の労務問題を中心に活動する顧問弁護士・法律顧問
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2010/02/17 (Wed)
顧問弁護士(法律顧問)として、問い合わせを受けることの多い事項を扱っており、企業の顧問弁護士をしている者が、日々接している法律問題のうち、一般的な情報として役に立ちそうなものをメモしています(ただし、走り書き程度のものですから、不完全な内容や誤植などがあるかもしれませんし、書いた当時は新しい情報でも、法改正などによって古い情報になっている可能性もあります)。幅広いテーマを扱うつもりですが、最近は不景気を反映してか、会社に対する残業代の請求解雇の不当性の問題などの労働問題が増えているので、そのような傾向を反映した形でのテーマの偏りはあるかもしれません。

今日は、昇進・昇格・降格についてです。


「昇進」とは、課長→部長のように、企業組織における役職や職位が上昇することをいいます。「昇格」とは、3等級→2等級というように、職能資格制度や職務等級制度において、その資格や等級を引き上げることをいいます。「降格」とは、役職や職位を引き下げることや、職能資格制度や職務等級制度上の資格や等級を引き下げることをいいます(例:部長→課長、2等級→3等級)。要するに、昇進や昇格の反対をイメージしていただければ良いかと思います。

昇進・不昇進の判断は、使用者の裁量に委ねられるのが原則です。ただし、以下のような差別的扱いは禁止されていますのでご注意ください。

・国籍、信条、社会的身分による差別(労働基準法3条)
・性別による差別(男女雇用機会均等法6条)
・通常労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別(パートタイム労働法8条)
・労働組合員に対する不当労働行為としての差別(労働組合法7条)

昇格についても、使用者の裁量が尊重されるのが原則ですが、以下の差別的扱いは禁止されています。

・国籍、信条、社会的身分による差別(労働基準法3条)
・性別による差別(男女雇用機会均等法6条)
・通常労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別(パートタイム労働法8条)
・労働組合員に対する不当労働行為としての差別(労働組合法7条)

また、昇格・不昇格の決定は使用者の裁量が尊重されますが、著しく不合理で社会通念上許容できない判断で行われたという場合(例:評価の前提となった事実に誤認がある、動機が不当であるなど)でなければ、違法にはなりません。なお、労働者には、原則として昇格請求権までは認められませんが、昇格の差別が賃金の差別と同様の結果となるような場合は、昇格請求権が認められる余地があります。このあたりの具体的な結論の差は個別事情により区々ですので、顧問弁護士(法律顧問)に相談したほうが良いと思います。


降格については、懲戒処分としての降格は、就業規則上の要件に該当するか否かの問題となり、懲戒権濫用の法理(労働契約法15条)がはたらく余地があるので要注意です。人事権行使としての降格は、原則として、使用者は裁量的判断により人事権行使としての降格ができます。ただし、人事権の濫用とならないことが必要です(労働契約法3条5項)。職能資格引き下げとしての降格は、労働者との合意により契約変更するか、就業規則等の労働契約上の根拠が必要です。また、労働契約上の根拠があったとしても、人事権の濫用とならないことが必要なのは上と同じです。



以上について、疑問がありましたら、企業側の方は、顧問弁護士(法律顧問)にお尋ねください。労働者側の方で、借金交通事故などの法律問題でお悩みの方も弁護士にご相談ください。実際にご自身で解決することが難しい法律問題に直面した場合には、一般的に得られる知識のみに基づいてご自身で判断してしまうのではなく、必ず専門家(顧問弁護士・法律顧問など)に個別にご相談いただくことを強くお勧めします。最近は、企業においてコンプライアンス、すなわち、法律や規則などのごく基本的なルールに従って活動を行うことの重要性に対する意識が高まっています。労働者が会社に対して残業代を請求したり、元従業員が会社に不当解雇を訴えたり、ある日突然会社に法律トラブルが生じることがありますが、日頃からコンプライアンスを重視して会社を経営していれば、心配することはありません。そのためには、顧問弁護士(法律顧問)に相談して日常業務に入り込んでもらうのが近道ではないかと思います。

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* ILLUSTRATION BY nyao *