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残業代請求や不当解雇等の労務問題を中心に活動する顧問弁護士・法律顧問
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2011/03/09 (Wed)
当ブログでは、時間外勤務について触れている裁判例を紹介しています(つづき)。

三 争点3(割増賃金(残業代))について
1 管理監督者該当性
(一)被告は,原告が労働基準法の労働時間等の規制の適用を除外される同法41条2号の管理監督者に該当するものであったと主張するところ,右管理監督者とは同法が規制する労働時間等の枠を超えて活動することが当然とされる程度に企業経営上重要な職務と責任を有し,現実の勤務形態もその規制に馴染まないような立場にある者をいうと解され,その判断に当たっては,経営方針の決定に参画し,あるいは労務管理上の指揮権限を有するなど経営者と一体的立場にあり,出退勤について厳密な規制を受けずに自己の勤務時間について自由裁量を有する地位にあるか否か等を具体的な勤務実態の即して検討すべきである。
(二)以下,右の観点から検討する。
(1)証拠(〈証拠・人証略〉)及び弁論の全趣旨によれば,原告の勤務実態について,以下のとおりの事実が認められ,右認定を左右するに足る証拠はない。
 原告の勤務は月4日が休日,1日のうち午前10時から午後8時までの10時間勤務と一応の定めがなされてはいたが,勤務の時間帯は営業に支障を来さないよう適宜変更するものとされていた。店長以下各従業員の勤務予定は,勤務日の2日前までに日間面着表に作成して本社に届け出るものとされており,店長である原告または係長がその調製に当たった。本件店舗の従業員にはアルバイトやパートの者も多いため,原告は,これら従業員の勤務時間の希望や休暇予定などを聴取して右面着表を作成し,従業員の勤務状況を勘案しながら自らの勤務時間を定めていた。
 本件店舗従業員は出退勤の際,タイムカードにその時刻を打刻するものとされ,原告もこれを行っていた。右タイムカードは月毎に本社に送られ,被告では,これを従業員各自の出退勤管理及び時間外手当(残業代)算定の資料等としており,原告にも平成9年2月までは時間外手当(残業代)が支給されていた。
 被告では,全社的な重要事項は社長会議(オーナー会議),重役会議,部長会議で決定しており,これらに店長が出席することはなかった。被告の営業方針は,本社の営業促進部が決定した。これに対し,原告ら店長は,店長会議に出席したが,店長会議は店舗運営の意見交換や被告からの指示伝達がなされるものであった。
 店長の職務は,店舗全体を巡回するなどして店舗の営業状況を把握し管理することであった。少なくとも,平成11年10月以後は,店長には,当該店舗従業員の採用権限も否定されていた。また,店長の勤務状況については,他の従業員同様,被告から月間指示事項や従業員に対する指導要領が示され,被告の内勤営業職員が各店舗を巡回してその遵守状況等を査定しており,これに基づいて右営業職員及び重役会で風紀手当の減額などを決定していた。
 本件店舗では,平成11年4月から,4階のカラオケ部門が閉鎖され,営業時間も短縮されるなどしたが,これも本社営業事務所が決定した。
 なお,本件店舗で原告に次ぐ地位にあった厨房担当の係長の賃金は本給7万5000円,役職手当7万1100円,風紀手当13万円のほか食事手当(原告と同額),住宅手当2万円,運転免許手当1000円というものであった。
(2)右認定事実及び前提事実によれば,確かに原告の賃金には住宅手当がないとはいえ,本件店舗の他の従業員の賃金等に比べ,風紀手当が格段に高額に設定されており,これは勤務が不規則になったり,勤務時間が長時間に及ぶことなどへの配慮がなされた結果であると推認できないではないが,原告には,被告の営業方針や重要事項の決定に参画する権限が認められていたわけではないし,タイムカードの打刻や原告の分をも含む日間面着表の提出が義務づけられ,ある時期まで残業手当(残業代)も支給されており,日常の就労状況も査定対象とされ,出退勤や勤務時間が自由裁量であったとも認められず,本件店舗の人事権も有していなかったのであって,原告は,勤務状況等も含めて被告から管理されていたというべきであり,到底,経営者と一体的立場にあったなどとは認められず,企業経営上重要な職務と責任を有し,現実の勤務形態が労働時間の規制に馴染まないような立場にあったとはいえないから,労働基準法41条2号の管理監督者の該当するものではない。
2 信義則違反
 被告は,原告の本件割増賃金(残業代)の請求が信義則に違反するとも主張する。
 しかしながら,右認定のとおり,原告は管理監督者には該当せず,本来,被告には時間外労働(残業)等に対し割増賃金(残業代)支払義務があるのであって,一般的にみて,労使関係継続中は,労使間の力関係の格差などから労働者は割増賃金(残業代)の不支給に対し不服を述べたりすることが困難な立場にあり,被告がある時期から残業手当(残業代)を打ち切り,これに原告が在職中異議を述べることがなかったからといって了承していたと推認することはできず,原告の退職後の右請求を信義に反するものということはできない。
 したがって,本訴請求が信義則に反するという被告の主張は,時機に後れたか否かを判断するまでもなく採用できない。


企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、顧問弁護士契約をしている弁護士にご相談ください。また、個人の方で、相続や遺言交通事故の示談・慰謝料不当な整理解雇敷金返還請求(原状回復)ご家族逮捕などの刑事弁護士への相談が必要な刑事事件借金返済の相談などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

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