忍者ブログ
残業代請求や不当解雇等の労務問題を中心に活動する顧問弁護士・法律顧問
カテゴリー
* 未選択(19) * サービス残業(3) * サービス残業2(4) * 顧問弁護士(法律顧問)(2) * 顧問弁護士(法律顧問)2(1) * 残業代の請求(4) * 残業代の請求2(4) * 顧問弁護士(法律顧問)4(1) * 顧問弁護士(法律顧問)3(2) * 残業代の請求(1) * 交通事故(1) * 残業代請求(4)
  カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
  フリーエリア
  最新CM
  最新記事
(12/11)
(11/14)
(09/11)
(09/09)
(09/04)
(08/31)
(08/28)
(08/25)
(08/19)
(08/06)
(08/04)
(07/29)
(07/21)
(07/18)
(07/18)
(07/15)
(07/09)
(07/05)
(07/05)
(03/17)
(03/16)
(03/14)
(03/13)
(03/11)
(03/10)
  最新TB
  プロフィール
HN:
No Name Ninja
性別:
非公開
  バーコード
  ブログ内検索
  P R
[1] [2] [3]
2024/05/16 (Thu)
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2011/03/14 (Mon)
このブログでは、時間外労働についての裁判例を紹介しています(つづき)。

五 争点5(積立金)について
 被告が積立金として原告の賃金から控除してきたものの積立残額が原告退職時で28万9580円であることは当事者間に争いがなく,証拠(〈証拠略〉)及び弁論の全趣旨によれば,原告は,平成12年1月中旬ころ,退職金や積立金その他未払賃金等があるとして被告にその支払いを求めたことが認められ,これによれば,被告は積立金について同年2月1日には遅滞に陥っていたものと解される。
 よって,右積立金及びこれに対する平成12年2月1日からの遅延損害金の支払いを求める原告の請求は理由がある。
六 争点6(退職金)について
1 証拠(〈証拠・人証略〉)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(一)被告には,昭和46年に制定され労働基準監督署長に届け出られた旧退職金規程があるが,これによれば,退職金の基本支給額は基本給月額に勤務年数(端数は月数を12分して満年に加算)を乗じた額であり,満10年以上の勤続者には5割を加算するものとされている。
 他方,新退職金規程は,平成4年ころ,被告代表者の指示で営業事務所長であった崎村が「退職金換算表(内規)」として作成し,被告代表者の承認を得たもので,被告ではそのころから右規定に従って退職金を支給している。新退職金規程によれば,退職金は,本給に一定の係数(原告の勤続年数13年5か月の場合103.5パーセント)及び勤務年数を乗じた額を基本額として最終審議し決定するが,その際,定年に満たない退職者については,その7割,5割,3割の3段階に減額するものとされている。新退職金規程は,被告の役員会等での採択決議などがなされたことはなく,従業員に対しても新たな就業規則等として説明されたことはない。
 新退職金規定が作成される以前も,被告では,遅くとも崎村が人事担当として被告に入社した昭和57年ころ以降,旧退職金規程を被告の退職金制度であるとして従業員に説明したり,これに基づいて退職金を支給したりしたことはない。新退職金規定が作成される以前の退職金は,男性5年,女性3年以上の勤続者を対象として,基本給に勤続年数を乗じた額を加減することなく支給されてきた。
 原告は,昭和61年に被告に入社したが,その際,退職金制度があるとの説明は受けたものの,その支給基準等の説明は受けておらず,また,被告に在職中旧退職金規定を含む就業規則が存することすら認識していなかった。
 なお,原告の平成11年12月当時の基本給は10万6000円であった。
(二)本件店舗では平成10年ころから深夜の来客数が減少してきていたため,被告は,平成11年4月から本件店舗4階のカラオケ営業を閉鎖するとともに営業時間を短縮するなどした。また,本件店舗の売上も減少してきていたため,売上目標の最低額を1000万円と定め,厨房に引きこもりがちであった原告に対し,ホールの巡回等店舗全体の把握をするなどして売上向上の努力をするよう指示していた。しかるに,同年5月及び6月は売上が1000万円以下に落ち込み,同年7月及び8月の売上は右売上目標に達したものの,前年比では8割程度であり,さらに同年9月以降の売上は1000万円を下回ったまま推移する状態となった。
 このため,被告の営業事務所長中川は,原告に対し,平成11年12月3日,業務命令書を渡して,厨房から出てホール巡回業務を行うこと,従業員削減を行うこと,売上回復策を提出すること等を命じ,右業務命令を承諾し,実行するか否かの回答を同月10日までに行うよう迫った。
 原告は,右業務命令は実行不可能であると回答し,同月中旬ころ,中川と話合いをもち,退職を申し出た。その際,被告では店長職者の退職には3か月前の退職届提出が要求されていたことから,原告は,平成12年3月20日付での退職届を提出する旨述べた。しかるに,中川から,その必要はない,直ちに退職するようにと指示されたため,同月28日付で「本日の勤務を持って退職」する旨記載した退職願を中川に渡し,翌日以後出勤しなくなった。
2 右認定の事実に対し,被告は,中川が命じたのは3か月前の退職届提出による円満退職であったのに,原告は突然退職願を提出して出勤しなくなり,職場が混乱したなどと主張し,証人村田もこれと同旨の供述をし,陳述書(〈証拠略〉)にも同旨を記載するほか,新退職金規定作成前も定年に満たない退職者の退職金については新退職金規定と似た減額の内規(書面)があり,新退職金規定で取扱いを変えたものではないなどと供述している。
 しかしながら,中川が命じたのは3か月後の退職である等という証人村田の右供述等は伝聞にすぎず,原告が3か月の期間をまたずに即時退職をしなければならないような事情は窺えないし(むしろ,本件店舗の売上減少を問題としている被告側にこそ,原告の早期店長更迭の必要があった),原告の即時退職が被告の予期しないことで許容できないことであったならば,その旨指摘し,出勤を要請するなどするのが通常と考えられるところ,証人村田は,原告には予告期間不足で退職が認められないとの連絡はしておらず,他の者がその旨連絡したか否かも聞いていないなどと述べているのであって,これらに照らすと,原告の即時退職やその後の不出勤が被告の許容するところでなかった等という証人村田の右供述等はにわかには採用できない。
 また,被告は新退職金規定作成前の退職金支給基準が,右新退職金規定と同様の内規に基づいていたなどという主張はしていないし,証人村田が述べるような内規の存在を窺わせる証拠も提出されておらず,これに関する同証人の右証言も採用できない
 他に右認定を左右するに足る証拠はない。

企業の方で、残業代請求についてご不明な点があれば、契約している顧問弁護士にご確認ください。そのほか、個人の方で、不当解雇保険会社との交通事故の示談交渉敷金返還請求・原状回復多重債務(借金)の返済遺言・相続の問題家族の逮捕などの刑事事件などでお困りの方は、弁護士にご相談ください。

PR
忍者ブログ [PR]

* ILLUSTRATION BY nyao *